化粧品・日用品業界では、SCMの究極の目的である「消費者に良質の商品を安く、過不足なく供給すること」を目指し、1997年に「業界サプライチェーン研究會」が設立された。化粧品・日用品大手メーカー10社の流通や物流、情報システムの戦略構築に攜わる擔當者がメンバーとなり、コーディネーターを務める大學の研究者やコンサルタント、事務局となったプラネットおよびプラネット物流と共に、流通構造の在り方を検討した。その結果をまとめたものが、1998年に発表された「VOES(ボイス)」(Vision for Optimal and Effective Supply Chain Management)と呼ばれる流通ビジョンである。
以上のような日本型SCM機能を有効に発揮するためには、前提として標準化されたEDI(Electronic Data Interchange)が必要となる。日本の場合、小売業のEDIはなかなか進まないが、メーカーと卸間では既に大規模なEDIが稼働している。これにより、各社では業務の効率化や伝票レスはもちろん、CRP(Continuous Replenishment Program:連続補充方式)やCPFR(Collaborative Planning, Forecasting and Replenishment:製販協働計畫予測補充)も可能になった。